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設計ご担当者様へ
大型ブロック積擁壁採用基準について
3A協会 (株)丸万コンクリート
最近、多くの現場で大型ブロック積擁壁が採用されるようになってきており、災害復旧においても多くなってきております。しかし、その採用にあたっては、道路土工・擁壁工指針を基準に照らして間知ブロック積か、大型ブロック積かで採用の可否がしばしば論議されております。解説文もありますが、かなか判断の難しい所です。ここで大型ブロックの採用にあたって明確にしておきたいと思います。 明確にするにあたって諸基準、マニュアルなどを参考にしております。まず、土木の基準書でもある道路土工・擁壁工指針/土木構造物標準設計第2巻(擁壁工類)/災害復旧(手帳)などによると、間知ブロック積は、 1.背面の地山が締まっている場合や背面土が良好であるなど、土圧が小さい場合に用いる。 2.応力計算に基づく設計手法ではなく、経験に基づく設計手法である。 3.雨や洪水、地震などで被災した現場状況を考えると、一般的には直高5mを超える擁壁の土圧が小さいとは考えにくい。慎重に考える必要がある。(引用文) とあります。 これらを勘案して、擁壁構造物の選定基準を考えてみたいと思います。 従来から使われている間知ブロックは、根強いニーズがあります。この第一は、安価であり、容易に手に入ることです。公共工事においての歴史と実績は申し分ありません。しかし、近年間知ブロックの採用を慎重にするようにと言った声が多くなってきております。 道路下では地震時などにおいて、特に疑問視されています。 安定計算をすれば、条件や計算手法にもよりますが、被災地などで間知ブロックが倒壊している状況を見ても分かるとおり、滑動や支持力に不安があるためと言われております。価格だけで使っていいのでしょうか。勿論、職人さん不足も否めません。 このような時代背景の中で大型ブロックは採用を広げてきております。しっかりとした安定計算(滑動、転倒、支持力)、応力計算を行っての参入であります。また、最近はメーカーによっては合理的な製造、施工などの開発により、経済的に大型ブロックも採用し易くなってきております。正に間知ブロックにとって代ろうとしております。今までの「大型ブロックは高い」のイメージが変わりつつあります。災害においても、間知ブロックが崩壊した現場では、より安全な大型ブロックへの変更も増えております。 最近の災害をみても、異常気象が異常でないくらいに頻繁になってきております。設計手法が厳しく問われる中、一般的には切土で自立する場合か、相当良質土で締め固められている場合に「背面は良好」とされています。これを拡大解釈することは危険です。また、「背面が良好」の判断は専門家でも難しく、その責任所在が問われることがあります。このような中、最近ではコンピューターの発達と共に容易に安定計算ができることもあって土圧計算を行って断面決定をしているケースが一般的であります。 「擁壁は恐い。安全第一を念頭において設計すべき」の認識が一層高くなってきております。異常気象や地震などを考慮し、用途と重要度、併せて経済性と安全性を加味して、最適な設計で明日の国土建設に取り組んで欲しいと願っております。 |